54日目 松山のミュージシャンと見る日本の伝統

54日目 松山のミュージシャンと見る日本の伝統

Jul 14 • ブログ • 161 Views • No Comments

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Playing the Japanese Lute 琵琶を弾いてみる

お分かりの通り、松山のミュージシャンというのは上の写真の人ではありません。(笑) 沖縄から乗ったフェリーで知り合った三味線奏者の三好輝(みよしひかる)さん が愛媛県は松山市にお住まいで、四国に来る時にはどうぞ、とお誘いくださったのです。お言葉に甘えて、岩国から何日か着いてきたネイト君も一緒に、松山のお宅にお邪魔させて頂きました。

しばらく前の記事にもちょっと書いたのですが、袴姿のひかるさんと、びしょぬれのオレンジの雨合羽姿で出会ったのはこの1ヶ月半程前で、沖縄の本部港で鹿児島行きのフェリーを待っていた時でした。お互いの一風変わった姿から話が弾んでお友達になったのでした。

ひかるさんは三味線奏者なのですが、実はもともと琵琶を弾いていたそうで、私は生まれて初めて琵琶を生で見て、触らせてもらうという貴重な体験をしました。ひかるさんが弾くと、こんなにとても上手です。

松山といえば、夏目漱石の「坊ちゃん」にも登場する道後温泉が有名。ゴールデンウィークで激混みだったのですが、ここまで自転車でやって来て道後温泉に入らないなんてあり得ない。芋の子状態でしたがちゃんと入りました。

Dougo Onsen in Matsuyama 松山の道後温泉

ひかるさんのお宅では、鉄瓶でお湯を沸かしてコーヒーを入れて頂きました。鉄瓶を茶道の時には使った事はありますが、日常で使うのを目にしたのは初めてでした。お茶がこちらで沸かした方がとてもおいしいのだそうです。私の読んだところでは、鉄瓶は使えば使う程沸かす水が美味しくなるということで、しかも沸かしたお湯が冷めにくいという利点もあります。

"Tetsubin" Japanese Iron Pot 鉄瓶

ひかるさん家にはいろんな和のものがありました。その一つに和ろうそくがあったのですが、私がそれに気付くと、なんとその高い蝋燭に火をつけて普通のろうそくと比べて下さいました。和蝋燭は、ハゼの実から取った蝋を職人の手で和紙などの芯に年輪のように巻き付けて作られています。放つ光がパラフィンのろうそくよりも強く、煙が少なく、そして長く燃え続けるという、質の高い日本の伝統的な蝋燭です。若干光が黄色く温かく見受けられました。

Japanese candle (left) 和ろうそく(左)

伝統音楽を少し楽しんだ後、お昼に地元の人が行く鍋焼きうどんを食べに行きました。頼んですぐに、アツアツの鍋焼きうどんが登場。ダシがとってもおいしい!シンプルな日本食は、材料の質や新鮮さがとても大事にされます。強い味付けや香辛料で隠す事ができないし、それを必要としない豊かな食の材料に恵まれているお陰ですね。モグモグ・・・ :)

Nabeyaki Udon in Matsuyama 松山の鍋焼きうどん

これは日本人なら大抵知っていますが、外国の人にはまさに「へー」なトリビアなので英語でちょっと紹介しました。ひかるさんが持っていた黄色いお財布、これは日本ではお金がたまると言われていますよね。逆が赤い財布だとか。(私、昔かわいい赤い財布を持っていました。迷信は信じない主義ということにしときます・・・)

Yellow Wallet Brings In Money 黄色いお財布でお金持ちに!?

松山城へ行く途中のお店で、色んな面白いものを見かけました。この鬼瓦、かっこ良すぎる、葉巻加えてるよ!?こんなのが屋根に付いてるお宅には、絶対悪霊は入ってこないでしょう。

Onigawara Decorative Roof Tile with a Cigar 葉巻をくわえた鬼瓦

愛媛といえばみかん!お城へ向かう途中に、伊予柑のお酒をちょっと味見・・・ムムム、おいしいではないか。

Ehime's Mikan (tangerine) sake 愛媛のみかんのお酒

松山城に到着でーす!

Matsuyama Castle 松山城

沖縄でプロの登山ガイドの方とロッククライミングに行った話をしましたよね。久々に腕の具合を城壁で見てみました。笑

Rock Climbing at Matsuyama Castle 松山城でロッククライミング

「あの侵入者を打ち落とせ!」

と、その昔だったらこのヒゲ付きの兜の大将が言ったに違いありません。

Samurai Lord's Armour 大将の兜

さてつい最近知り合ったアメリカ人の方で、日本の木組や宮大工の技術に興味のある人がいました。松山城の中にこれの紹介があったので、スライドショー(Flashプレイヤー要)で何枚か写真を載せておきます。最後の写真なんて、まるで難しい3Dのパズルのようです。長さや幅に限界のある木材を組み合わせることによって必要な長さと強度を持たせる日本の高い大工技術は、世界からそれを目的に訪れてやってくる人がいる程なのです。

松山城の周りには、梅がたわわになり始めていました。春の始まりを告げる梅の花は、桜と並んで日本を代表する美しい光景ですね。

Lots of Japanese apricots on a tree たわわになる梅

四国といえば、88カ所のお遍路が有名ですね。徒歩で行く人もいれば、自転車、車、バスなど色々方法はあるようで、私もたくさんのお遍路さんとすれ違いました。自転車で徒歩のお遍路さんの横を通って行くのは、なんだか悪い気さえしてしまいました。(このグーグルマップ で88のお寺の場所を見る事ができます。)

Ohenro-san Pilgrim visiting Ishite Temple 石手寺を訪ねるお遍路さん

松山にある、51番目の石手寺に私も連れて行ってもらいました。

Temple Number 51 Ishite Temple in Matsuyama 松山の51番石手寺

お遍路さんの始まりには諸説あるようですが、有名なのが衛門三郎の伝説です。

ある日、衛門三郎の家をみすぼらしい僧が托鉢しようとやってきた。豪農で欲深い三郎は情の一つ見せず、このお坊さんが来る度に追い返し続ける。とうとう8日目にはこの僧の鉢をほうきでたたき落とし、鉢が8つに割れてしまった。僧はこの後二度と三郎の家には戻らなかった。

この出来事の後、三郎の8人の子供が毎年一人ずつ亡くなり、とうとう三郎は全ての子を失う。そして夢に出てきた弘法大師が、あの時無礼を働いた相手だったと初めて気付き、非常に後悔したのだった。

それから弘法大師にもう一度会って謝ろうと、弘法大師の開いた88カ所のお寺を歩いて周り、20回も回っても会えず、逆方向にも周り、そして病にかかり死が迫った三郎の前に弘法大師が現れたのだった。三郎は泣いて謝り、弘法大師は三郎に何か願い事があるかと訪ねた。三郎は、河野家に生まれたいと言い、弘法大師は石に「衛門三郎再来」と書いて三郎に握らせ、三郎は息を引き取った。

翌年河野家には男の子が生まれ、かたく握った赤子の手の中からその石が見つかったのだった。

この石(かなりでかい)は石手寺で見る事ができます。石手寺というお寺の名前はこの話から変えられたらしいです。下は石手寺にあった衛門三郎の像。

Emon Saburou 衛門三郎

ひかるさんはこの話を石手寺の焼きもちと一緒にしてくれました。見えにくいけど、この焼きもちには「五十一」と焼き印が押してあります。

Ishite Temple's Yaki Mochi YUM! 石手寺の焼きもち

この後、Waku Wakuというカフェにもお邪魔しました。ここは、愛媛グローバルネットワークというNGOの活動をしてらっしゃるこの素敵な女性達が運営していらっしゃいます。このNGOでは、日本の放置自転車をモザンビークへ送る活動をしてあり、なんとその大変な活動のお陰でモザンビークの大統領もこのカフェを訪れたそう!愛媛県にどこかの国の大統領が来る事自体が初めてだったらしいです。すごいですよね、自転車で世界に広がる愛の和です。この他にも、東ティモールのフェアトレードコーヒーの仕入れ販売も行ってらっしゃいます。自転車の模様がかわらしいカップには「Eco&Peace」の文字が。 :)

Ladies of NGO Ehime Global Network send bikes to Mosanbique and sell fair trade coffee from Eastern Timor 愛媛グローバルネットワーク(NGO)の方々

この日の夕食はひかるさんのご両親宅で、人生で初めて、イノシシの肉を焼き肉で食べました。臭くなくてとても美味しかったです。 その他にもその日取ってきたというお野菜など、たくさんご馳走になってしまいました。

Wild Boar BBQ イノシシの焼き肉

ひかるさんのお母さんのきんぴらごぼうです。ごぼうって、西洋ではほとんど食べないのですが、日本では日常に食べる美味しい野菜ですね。

Kinpira Gobou (Burdock root) きんぴらごぼう

お母さんがその日取ってきたというたらの芽の天ぷら。カリッカリですごくおいしかった〜!

A little big fatsia sprouts ちょっと大きいたらの芽

お母さんのおにぎりは愛情たっぷり♥

Good looking onigiri おいしそうなおにぎり

伝統、文化、歴史をたくさん味わった松山での一日でした。夕食の後はひかるさんの演奏を聞きながら笑いの耐えないひと時。

Hikaru Miyoshi playing shamisen 三味線を弾く三好輝さん

これは私にとって初めての四国訪問だったのですが、三好ファミリーのお陰でこれ以上ない程素晴らしい体験になりました。 四国は美しい山々と自然、そしてたくさんのお遍路さん達を国内外から迎え入れる優しい地元の人達に溢れています。私はお遍路まではしなかったけれど、面白い出会いを経て、四国の優しくて楽しい一家族に迎え入れられてとても幸運でした。ひかるさん、三好ファミリー、本当にどうもありがとうございました!

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