３日目 美しい天草を行く
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いも虫になって一晩。初めて使った寝袋から出るのにかなり時間がかかってしまいました。寒くてよく眠れなかったものの、やってきた朝はまぶしく美しいこと！手を合わせて上島の小さな神社にお礼を言ってまた出発していきます。
この日は天草をサイクルします。「たこ街道」の看板がいくつも立っていて、天草とその周辺が海の幸に恵まれている事が分かります。
天草は本当にきれい。ドライブだけじゃなくて自転車は本当に最高ですよ！
今日のお昼は天草のお刺身丼と、うどんです。なんてご馳走！！
天草のたこ、いか、ほたて、とろ、そしてもちろん有明海の海苔。
朝に取れたばかりの新鮮な魚はこれ以上ないおいしさ。これを東京で食べたらいくらになるやら！？
天草のたこと一緒に、交通安全を祈ります。
たこ様様、といったところでしょうか。でかい、そしてリアル！！
津波の被災者の方々の事を思いながら天草を走って行きました。
天草のでこぽん。（またしても巨大）
私の自転車さくらちゃんは、色んな日本の美しい所へ連れてってくれています。日本の春が優しく私を包み込みます。いい香り！！自転車にしばらく乗っていない人達にも、暖かくなったらぜひ乗ってほしいな〜！
地元の方に聞いて近くに温泉を発見しました。
この晩入ったこの温泉ほど気持ちのいい温泉は、人生で入った事がありません。
３００円で入ったその温泉には、ジェットバス、寝湯、うたせ湯、サウナなどが完備され、丘の上にあったために、窓の外は絶景の青い海！！！そしてお湯が海の下から引かれているため、なんとも癒されるしょっぱい温泉でした。
もう気持ちのいい事この上なく、眠れなかったここ数日間の疲労と筋肉痛で、ボコボコしている湯船で死んだように半分寝ていた私のことを、小さい女の子がじっと見つめている事に気づきました。ピクリとも動かず、尋常でない私の放心状態に、ちょっとびっくりした様子でした。ハッと我に返った私は即座に、「気持ちいいね〜」と言ってみました。その女の子はこくりとうなずいて違う湯船に行ってしまいました。
自転車に乗った後は、元々おいしいご飯がさらに最高においしく、もともと気持ちのいい温泉が、もうこれ以上ないというほど素晴らしいお湯にと変わります。こんな世界が存在していたなんて、今まで私、知りませんでした。ちょっときつい坂も、ゆっくりゆっくり上って行けばその後はジェットコースターの様な下り坂が待っていて、そしてまた上り坂があっても、その先には温泉がある事もある。山あり谷ありをまさに絵に描いたようなのがこの旅なんだなと思いました。
晩ご飯はチキン南蛮を食べました。お味噌汁は白みそに、すごくおいしい鯛のダシが使われていて、もう最高のお味。天草って、なんて豊かな土地でしょう。
晩ご飯を食べている間、テレビには津波の被災地のニュースがずっと流れていました。おいしいご飯には涙がこぼれ落ちて、ずっとそれが止まらないまま、ご飯を食べ終わりました。じっとテレビを見つめて役に立たない自分に脱力感を感じ、止まらない涙を一時ぼろぼろと流した後、それでも私も何かをしなければ、と思ってその後寝床へとつきました。
About the Author: Sachi
